ふるさと納税を利用して美味しい特産品をゲットしたものの、確定申告を忘れたら「住民税はどうなっちゃうの?」と不安に思うかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、確定申告を忘れても住民税の控除は諦める必要がありません。
ただし、何もしなければ控除は適用されず、せっかくのふるさと納税の恩恵を受けられなくなってしまいます。
総務省の令和6年度調査によると、ふるさと納税の住民税控除額は全国で約7,682億円、控除適用者数は約1,000万人に達しています。
これだけ多くの方が恩恵を受けている制度だからこそ、確定申告を忘れても諦める必要がないのです。
- 確定申告を忘れた場合の住民税への具体的な影響
- 5年以内なら控除を受けられる「還付申告」の仕組み
- 還付申告の具体的な手続き方法と必要書類
- 住民税決定通知書での控除確認方法
- 控除が正しく適用されているかの計算式
- よくあるトラブルと実際の対処法
ふるさと納税の確定申告を忘れた場合、住民税はどうなるのか?
控除が適用されず満額支払いになる

ふるさと納税で確定申告を忘れた場合、最も直接的な影響は住民税から控除が適用されないことです。もしふるさと納税の申告を忘れてしまうと、寄附金控除が適用されず、自己負担額が発生してしまいます。
総務省の令和6年度現況調査結果によると、令和5年度のふるさと納税受入額は約1兆1,175億円、受入件数は約5,895万件という過去最高の実績を記録しています。
これだけ多くの人が利用している制度だけに、確定申告を忘れるかたもいるでしょうね。
ふるさと納税を行い適切に申告すれば、寄付金額から2,000円を引いた分が住民税から控除されます。
例えば、50,000円を寄付した場合、本来なら48,000円(50,000円-2,000円)が住民税から控除されるところ、申告を忘れると控除は0円となってしまいます。
わたしも初めてふるさと納税をした時、確定申告のことをすっかり忘れていて、6月に届いた住民税決定通知書を見て愕然としたことがあります。控除されているはずの金額が全く反映されておらず、まさに「やばい」状況でした。
住民税決定通知書での確認方法
住民税の控除状況は、毎年5~6月頃に送付される「住民税決定通知書」で確認できます。
控除額は、確定申告を利用した場合の「所得税の還付額+住民税からの控除額」と同額です。
5月か6月に居住自治体から送付される、「住民税決定通知書」の “寄付金控除” あるいは “税額控除額” という欄に記載されていますので必ずチェックしてください。

この通知書の「寄付金控除」欄が空白だったり、思っていたより少ない金額しか記載されていなかったりすれば、確定申告を忘れている可能性が高いです。
地域格差から見るふるさと納税の実態

総務省の統計データを見ると、地域による控除額の格差が鮮明に表れています。
令和6年度課税における住民税控除額を見ると、東京都は約1,899億円と群を抜いており、神奈川県の約796億円、愛知県の約548億円と続きます。
一方で、住民税控除額が多い市区町村のトップ20を見ると、横浜市が約305億円、名古屋市が約177億円、大阪市が約167億円となっています。
この数字を見ると、都市部の住民ほど多額のふるさと納税を行い、それに応じた控除を受けていることが分かります。
つまり、もしあなたが確定申告を忘れてしまうと、これらの方々が受けている恩恵を逃してしまうことになるのです。
都市部では年収が高い世帯も多く、控除限度額も高くなりがち。それだけに確定申告を忘れた時の損失も大きくなってしまいます。
ふるさと納税の確定申告を忘れたら住民税はどうなる?5年以内なら住民税控除を受ける方法がある
還付申告という救済措置

ふるさと納税の確定申告を忘れてしまっても、「還付申告」という手続きで控除を受けることができます。
この還付申告は、翌年の1月1日から5年間手続きが可能となっているので、例え確定申告期間を過ぎていても、5年以内であれば控除を受けられます。
国税庁の公式サイトによると、還付申告とは納めすぎた所得税の還付を受けるための申告のことで、通常の確定申告とは異なり期限に縛られません。
具体的には、還付を受けようとする翌年1月1日から5年以内に、確定申告書を所管税務署長へ提出します。
わたしも、税理士の友人から「還付申告は確定申告期間とは関係なく、いつでもできるから安心して」と教えてもらったことがあります。
実際、多くの人が確定申告の期限を過ぎてから気づくケースが多いそうで、この制度を知らない人も意外と多いようです。
還付申告の具体的な手続き手順
還付申告の手続きは通常の確定申告とほぼ同じですが、以下のような流れになります。
1. 必要書類の準備
- 寄付金受領証明書(各自治体から送付)
- 源泉徴収票
- 還付金を受け取る口座の通帳
2. 申告書の作成 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると便利です。
3. 税務署への提出 管轄の税務署に直接持参するか、郵送で提出します。
4. 還付金の受け取り 所得税分は約3週間~1か月程度で指定口座に振り込まれます。住民税分は翌年度の住民税から控除されます。
友人も2年前のふるさと納税を忘れていたのですが、還付申告で無事に控除を受けることができました。「こんなに簡単なら早くやっておけばよかった」と嬉しそうに話していました。
ふるさと納税市場の拡大と申告忘れのリスク
ふるさと納税市場は年々拡大を続けています。総務省の最新データによると、令和5年度の受入額は約1兆1,175億円と前年度の約9,654億円から大幅に増加しました。

これは約15.7%の増加率であり、制度の普及とともに利用者も急増していることを示しています。
注目すべきは、受入件数が約5,895万件に達していることです。これを日本の総世帯数で割ると、相当な割合の世帯がふるさと納税を利用していることが分かります。
ただし、これだけ多くの人が利用している一方で、確定申告を忘れてしまうケースも増加していると推測されます。
筆者の体感でも、周りの友人・知人で「ふるさと納税はしたけど確定申告忘れちゃった」という声をよく聞きます。特に年末の駆け込み寄付が多い傾向にあり、年が明けてから確定申告のことを思い出すパターンが多いようです。
住民税控除の確認と注意点
控除効果の具体的な確認方法
ふるさと納税による控除効果は、所得税と住民税で異なる形で現れます。ふるさと納税で確定申告をした場合、所得税からは「還付金」、住民税からは「税額控除」の形で控除されます。
総務省の制度説明によると、住民税からの控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれ異なる計算方法で決まります。基本分は(寄付金額-2,000円)×10%、特例分は(寄付金額-2,000円)×(90%-所得税率×復興税率)となります。

所得税の還付確認方法
- 確定申告書の控えの「還付される税金」欄
- 国税還付金振込通知書(確定申告の1~2か月後に郵送)
- e-Taxの場合は「受付システム」で処理状況を確認
住民税の控除確認方法
- 住民税決定通知書の「寄付金控除」欄
- 前年度との比較による確認
実際の数字で見ると、令和6年度の住民税控除額は全国で約7,682億円に達しています。これは前年度と比較して増加傾向にあり、制度の定着を物語っています。
控除が正しく適用されているかの計算式
所得税の還付金額と住民税の控除金額の合計が、【ふるさと納税で寄付をした金額-2,000円】になっていれば、問題ありません。
例えば30,000円のふるさと納税をした場合
- 期待される控除額:30,000円 – 2,000円 = 28,000円
- 所得税還付:約2,800円(所得税率10%の場合)
- 住民税控除:約25,200円
- 合計:28,000円
この計算が合っていれば、正しく控除が適用されています。
よくあるトラブルと対処法
実際に住民税の控除を確認する際、いくつかのトラブルが起こることがあります。
- 控除額が思ったより少ない
収入によって控除上限額が決まっているため、寄付金額が上限を超えていた可能性があります。 - 住民税決定通知書に記載がない
他の控除項目と合算されて表示されている場合があります。不明な場合は市区町村に問い合わせてください。 - ワンストップ特例との重複
確定申告とワンストップ特例を両方申請した場合、ワンストップ特例は無効になります。
わたしも最初は住民税決定通知書の見方が分からず、市役所に電話で問い合わせたことがあります。職員の方が丁寧に説明してくれて、控除がしっかり適用されていることが確認できました。
住民税の納付時期への影響
住民税は年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納付するのが一般的ですが、ふるさと納税の控除は年税額から差し引かれるため、各回の納付額が均等に減額されます。
例えば、年間住民税が20万円で、ふるさと納税による控除が4万円の場合
- 控除前:各回5万円ずつ
- 控除後:各回4万円ずつ
まとめ:ふるさと納税の確定申告を忘れたら住民税はどうなる?
ふるさと納税の確定申告を忘れてしまっても、決して諦める必要はありません。還付申告という手続きを利用すれば、5年以内であれば住民税の控除を受けることができます。
ふるさと納税は本来、あなたの税負担を軽減しながら地域貢献もできる素晴らしい制度です。申告を忘れてしまったからといって、その恩恵を諦めてしまうのはもったい。
この記事を参考に、ぜひ還付申告にチャレンジしてみてください。適切な手続きを行えば、きっと住民税の控除を受けることができるはずです。
- 確定申告を忘れても還付申告で5年以内なら控除を受けられる
- 申請期限は寄付をした翌年1月1日から5年間(厳守)
- 還付申告は確定申告期間に関係なくいつでも手続き可能
- 必要書類は寄付金受領証明書、源泉徴収票、口座情報
- 住民税決定通知書の「寄付金控除」欄で控除状況を確認
- 所得税還付と住民税控除の合計が(寄付額-2,000円)になるのが正常
- 控除上限額を超えた寄付は自己負担額が増加する
- ワンストップ特例と確定申告の重複申請は無効になる
- 市区町村への問い合わせで控除状況を詳しく確認できる
- 還付申告の手続きは国税庁の作成コーナーで簡単にできる
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この記事では、確定申告を忘れた場合の住民税への影響から具体的な対処法、さらには実際の手続き方法まで、あなたが知りたい情報を徹底解説していきます。